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マイクロエンドの費用

マイクロエンドにかかる費用

根管治療は、歯科医院で日常よく行われている処置の1つです。虫歯が、歯の神経や血液を含む歯髄にまで到達し、神経がやられてしまった場合や、ボールが歯に当たったり、交通事故に遭ったりといった外傷で歯が折れたりしたときに行います。歯髄にある神経と、内部にいる細菌を除去し、根管充塡材という専用の薬で埋めてしまう処置です。

欧米の医療先進国では、マイクロスコープを使用して歯科治療を行うことがスタンダードとなっています。最近では、日本でもより精度の高い治療を目的に、顕微鏡を使用した精密根管治療(マイクロエンド)を行なう歯科医院が増えてきました。ここでは、マイクロエンドとそれに関する費用についてご説明します。

モニターを使って歯の状態を説明している男性歯科医師

マイクロエンドとは

マイクロエンドは、歯科用の顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、肉眼では見えなかった根管部分も明るく拡大して見ながら、専用の器具を用いて治療を行います。細かい部分も拡大して見られるので、悪い部分だけをピンポイントで除去し、歯へのダメージを最小限に留められます。
より精度の高い根管治療を行うことができるため、他の歯科医院では抜歯と診断された歯も、マイクロエンドによりさらに長く使えるようになる可能性があります。

マイクロエンドの費用

マイクロエンドは保険適用の治療ではありませんので、全額自己負担となる事がほとんどです。1本の歯につき7万円~15万円が相場といえます。しかし歯によって主な根管の本数が異なり、それによっても治療の難易度が変わるので、治療費が上下します。
根管は、前歯では1つ、小臼歯は1~2つ、大臼歯は3~4つありますので、実際にかかる費用については治療開始前に歯科医師に確認しておくと安心です。

自由診療と保険適用の違い

根管治療には、保険適用のものと自由診療の内容があり、その違いにはマイクロスコープを使うかどうかです。歯の神経(歯髄)を抜き取った歯は、健康な歯よりももろく折れやすいです。保険適用内は最低限の処置しかできないため、治療を行っても歯自体の寿命が短い場合があります。しかし、マイクロスコープを使用した保険適用外治療は、保険適用内の治療よりも寿命が長くなることがあります。

マイクロスコープを利用したマイクロエンドが自由診療の理由

マイクロスコープは安いものでも100万円以上、高い物では1,000万円近くします。また、患者様への分かりやすい説明のために、マイクロエンドで映した映像を大画面で見られるようにしたり、撮影・録画できるようにカメラを揃えることもあります。もちろん、マイクロエンド専用の器具一式もそろえる必要がありますので、初期投資がかなり大きくなります。

治療時間についても、1回の治療にかかる時間も60分から90分程度かかり、複雑な根管であれば1回の治療で終わらないこともありますので、経営面から見ると保険診療では到底対応しきれません。そのため、マイクロエンドは保険適応外の診療で行うという歯科医院がほとんどです。

根管治療の難しさ

根管治療について説明している男性歯科医師

根管治療は、専門性の高い歯科治療の1つです。1度根管治療した歯は、再治療しようとすると歯へのダメージが大きく歯根が割れる可能性も高くなるため、そう何回も治療はできません。根管治療はできてもだいたい2回までです。つまり、1回目の根管治療でどれだけ長期予後の良い治療ができているかに、歯の寿命がかかっています。

まず、根管は中心となる太いものの他に、細かく枝分かれした側枝(そくし)があります。この側枝に細菌が棲みついた場合、治療後に病巣を作り出す危険性があります。根管は臼歯部では様々な形態に湾曲していることが多いため、専用の器具でないと歯の根の先(根尖)まで到達できません。また、年齢があがるにつれて根管そのものが細く狭くなりますので、さらに治療の難易度が高くなります。

マイクロエンド専門医院

最近では、マイクロエンドを専門とする歯科医院も出てきました。他の歯科医院からの紹介でのみ受け付け、マイクロエンドの治療後は紹介元の歯科医院に戻って、続きの歯冠修復処置を受けるというスタイルです。このような歯科医院が出てくるということは、それだけ患者さんのニーズがあると言えます。

マイクロスコープを使うことで術野が拡大し、明るい照明下で確認できるようになります。経験豊富な歯科医師が用いることで、臨床判断が正確になり、治療時間も短く、治療効果を高めることができることから、保険診療でも取り入れるスタンスの歯科医師も増えつつあります。

マイクロエンドも完全ではありません

根管治療そのものの難易度が高いため、マイクロスコープを使ったマイクロエンド治療の重要性が高まってきています。しかし、医療の世界では「絶対」や「完璧」といった100%はなく、マイクロエンドでもなかなか治せない症例はあります。まずは治療前に歯科医師としっかりと相談して、治療が可能なのかどうか、費用のことなどを納得いくまで確認してからマイクロエンドを始めるか決めることをおすすめします。

保険診療で行う顕微鏡を使った歯科治療について

虫歯を放置していた場合や、根管治療で取りきれなかった細菌が歯根の先端で炎症を起こし、「のう胞」という膿の袋を作る病気があります。再度の根管治療ができない場合、たとえば自費の被せ物が入っている、これ以上根管治療すると歯のダメージが大きい場合には、外科的に袋の部分と根の先端をかじる「歯根端切除術」という手術を行います。CTと顕微鏡の両方を備え、事前に厚生労働省に届け出をしている歯科医院において、顕微鏡を使ってこの歯根端切除術を行うと、保険診療の扱いになります(2018年9月現在)。

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